コラム

IR担当教員が着任後にすべきこと:着任後1か月の職務経験から

2019年4月1日付で広島市立大学の企画室に移りました。これまでは、学部卒業後、新卒で9年間、関西大学の事務職員として勤務し、退職するまでの3年間は企画部門で学校法人(大学部門・併設校部門)における自己点検・評価を取りまとめる事務局で仕事をしておりました。この他、在職中に認証評価機関に出向し、大学評価を行う事務局という立場で仕事するなど貴重な経験をさせていただきました。

今回のコラムでは、タイトルのとおり、着任して1ヵ月しか経過しておりませんが、「IR担当として着任した教員がまずすべきことは何か」という問いに対して、事務職員から教員に職種を変更した立場で考察を行っていきたいと思います。

現在の私が担っている職務の一つとして、学長・副学長をはじめとする大学執行部の下、依頼されるオーダーに基づくデータ分析、そのフィードバックを行うことが挙げられます。

この他、広島市立大学ではこれからIRの推進体制を構築することもあり、IRデータの取扱いを規定するルール作りなども行っております。前任校でも、事務職員の立場で規程や申し合わせ、要項等の原案を作成した経験もありました。特に、新たなものを作り出す際には、振り返ってみると主に以下の手順で策定していたと思います。

  1. 中央教育審議会の各種答申や、その他の機関が示す資料においてどのように規定されているか、などの要件となる事項を確認する。
  2. 学内で関連する規程等が整備されているかを確認する。
  3. 他大学における参考となる事例がないかを情報収集し、必要に応じて訪問調査を行う。
  4. 以上の内容を踏まえて、新たな規程や申し合わせ、要項等の原案を作成する。
  5. 上司や担当教員にコメントいただき、加筆修正を行い、委員会等に上程する。

新たに何かを作るときは、たいてい、このような手順で進めていたと記憶しています。それぞれの大学によって進め方は異なるかと思いますが、この「進め方」、つまり、所属する大学組織において、どのような手順で新たな規程や取組みがかたちづくられているかを知ること、また、どのようなプロセスで学内における意思決定が行われているかを知ることが、間接的に大学運営を支援する立場にあるIR担当教員に求められることではないでしょうか。

私自身も着任当初、大学の意思決定がどのように進められているのかがわからず、新しいことをするのに、まず誰に相談し、どのように進めていくのかが正しいのかがわかりませんでした。

特に、任期付きの教員だと、任期中に一定の成果を出さないといけないという焦りからとりあえず施策を提案し実績を残そうと考えるかもしれませんが、意思決定のプロセスやその大学の文化を知らないと意思決定までに時間がかかったりするなど、かえって悪い結果に結びつくことがあります。

自戒の念も込めてですが、所属大学内でどのように物事が決められているか、それを踏まえて提案等を行っていくことが、着任後のIR担当教員がまずすべきことではないでしょうか。

前回の上畠さんのコラム「ところかわれば事務かわる:事務ローカライゼーション」でも述べられていますが、少しでも大学間による事務手続き等の違いをなくすことができれば、大学としても負担が軽減し、着任すぐのIR担当教員としても前任校との違いに戸惑わずに職務にあたることができます。

この4月から参画させていただいたJ-CDSプロジェクトは、データの観点からその一助を担う存在であると考えます。少しでも大学間による違いから生じる戸惑いをなくせるよう本プロジェクトに微力ながら携わっていく所存です。

(広島市立大学 山咲 博昭)