コラム

後悔のない進路選択のために

「遠くの国公立大学より、近場の私立大学を選ぶことが増えました。」

ある高等学校の進路指導担当教員は、生徒や保護者の進路の意向が自宅から通うことができる点に重きが置かれるようになったと、現状を語っていました。その傾向は地域によらず、筆者はさまざまな高等学校で耳にし、経済的事情によって進路選択の自由が狭まっていることを肌身に感じるようになりました。

各大学はその現状に対し、学費等納入金の減免や奨学金制度の充実を図り、経済的支援を行っていますが、受け手側の情報格差は少なくありません。

大学進学情報誌が進路指導室に所狭しと並び、生徒が比較・検討を十分に行うことができる高等学校もあれば、生徒自らが手探りで情報を探さなければならない高等学校もあるためです。では、生徒はどのように情報の比較・検討を行えばいいのでしょうか。

日本私立学校振興・共済事業団は「偏差値で選ばない大学選びに」として、大学ポートレート(私学版)の広報を行っています。しかしながら、大学ポートレート運営会議第6回、参考資料3「大学ポートレート改善に向けて」では、現状の大学ポートレートの比較・検索機能は不十分であることを指摘しています。また、民間企業各社も大学情報の比較・検索機能を提供していますが、各社その機能や情報の密度は異なっています。

この課題に対し、日本版コモン・データ・セット(以下、「J-CDS」)は、大学が提供する共通のデータ・フォーマットによる一元的な比較を可能とするため、生徒の進路選択に寄与できるものと考えています。

一人でも多くの生徒が後悔のない進路選択ができることを願って、我々はJ-CDSの検討を進めていきたいと考えています。

(高千穂大学 近藤直幸)