大学は様々な教育研究に関する情報をホームページで公開しています。これは法令で定められた情報だけではなく、大学が独自に情報を公開していることもあります。
また日々の教育研究の活動の報告をしている大学もあり、例えば大学や学部学科のホームページなどにブログなどを立ち上げて、そこで発信している大学も多いのではないでしょうか。
しかし、いくつかの大学のブログを見ていると、良い取組を伝えようとしていても、非常に読みにくいレイアウトで構成されていることがあります。これでは、そのブログを読んで欲しい人に本当に読んでもらえるのかと疑問に感じる事もあります。
せっかく情報を公表しても読んでもらえなければ勿体ないです。重要なのは、読んで欲しい相手に情報が届き、きちんと最後まで読んでもらえるかという事です。その為には、大学はどのように何をすればいいのでしょうか?
今回は、スマートフォンでもストレスなくホームページを閲覧できるようにするモバイルファーストを考える必要があるのではないかという観点からコラムを書きたいと思います。
本記事は以下の文章を2回続けて記載しています。最初は読みやすくすることを心掛けたもの、次はまったく考慮しないものです。
なぜ、モバイルファーストか
みなさんは、インターネットを利用するとき、どのような端末を使うでしょうか?
自分自身はダイヤルアップ接続で電話回線を利用してインターネットを始めた世代でしたので、インターネットと言えばパソコンから接続するものと思ってしまいます。
しかし今はモバイル端末(特にスマートフォン)を個人で持つ時代になり、個々がインターネットに接続することは容易になりました。
ここで総務省の平成30年通信利用動向調査から、年代ごとにどのような端末でインターネットを利用しているかを見てみましょう。

各年代の左の青色がパソコン、赤色がモバイル端末(携帯電話及びスマートフォン)、緑色がタブレットとなります。
どの年代にも共通しているのはインターネットの利用はモバイル端末が多く、特に13〜19歳の層ではパソコンとモバイルの差が大きくなっています。
この調査は多肢選択式なので、パソコンもモバイル端末も利用している人もいると考えられますが、どの年代でもモバイル端末を利用してインターネットを利用する人の割合が多いことは、情報を発信する側としてしっかりと留意しなければならない点ではないでしょうか。
余談ですが、このJ-CDSのホームページでは2020年3月22日~2020年6月19日の機関でデバイス別のセッション数はグーグルアナリティクスの結果によると図2のようになっています。
(セッションとはWebサイトにアクセスして、そのサイトから出て行くかブラウザを閉じるまでを言います。)

このホームページはどちらかというとパソコンからのセッションが若干多いですが、それでもモバイルからのアクセスは4割程度あります。このようなグーグルアナリティクスによる情報は、大学のホームページ管理者に聞くと分かると思います。
モバイル端末(スマートフォン)でホームページを見るということ
それではモバイル端末向けにするとはどういうことでしょうか?例えばモバイルでの閲覧に配慮するには次の2点に最低限注意する必要があります。
- 画面が小さい事を踏まえたレイアウトとすること
- 通信量と通信速度に配慮すること
レイアウトに注意するということ
モバイル端末では画面が小さく、ホームページのレイアウトがレスポンシブデザイン(デバイスの画面サイズに依存しないwebサイトを構築する手法)になっていても、パソコンで閲覧するときとモバイル端末で閲覧するときで見え方が変わる可能性があります。
もしブログの記事をパソコンで書くのであれば、モバイル端末からもどのように見えるかを確認してみましょう。
例えば文章をひたすらずっと改行もせずに書いていませんか?改行すると読み見やすくなりますが、画面が小さいということは改行する回数も多く必要になります。
また、文字ばかりではなく、アクセントとして適度に見出し、写真及びイラストなどを入れるのも読みやすくする方法としては有効です。
ブログの書き手ある大学の教職員は文字ばかりの文章を読むことに慣れていますが、想定される読み手の高校生や保護者が同じレベルで文章を読むことに慣れているとは限りません。
読んで欲しい読者像をしっかりと想定して、レイアウトする事が重要です。
通信量と通信速度に配慮するということ
Wi-Fiに接続した状態でインターネットをしている場合は、通信量や通信速度はあまり気にする必要がありません。
しかし、高校生や保護者がモバイルデータ通信を利用してホームページを見ることを想定して、通信量と通信速度に注意する必要があります。
例えば写真や画像をブログに掲載する時に、非常にデータ量が大きい写真をブログにアップしていませんか?
もし自分自身がモバイル端末でインターネットを利用する時に見たい写真や画像がなかなか出なかった場合はイライラしませんか?
多くの方がそのページを見ることをやめてしまうのではないでしょうか。画像の鮮明さにも注意しなければなりませんが、画像の重さにも注意しましょう。
終わり〜ページ閲覧数と平均ページ滞在時間は確認しよう〜
魅力ある教育の実践例をブログに書いても、読まれないと意味がありません。
では、読んでもらえているかどうかを確認するために、ページごとにどのぐらいのページ閲覧数と平均ページ滞在時間となっているかを所属大学のホームページ担当に出してもらいましょう。
特に数千字あるページでも平均ページ滞在時間が十数秒などの場合はきちんと読んでもらっていないと言えるかもしれません。
知ってほしい情報というのはただ出すだけではなく、どのようにして最後まで読んでもらえるかといった工夫は常にする必要はあります。
ここから見やすさをまったく考慮しない版となります。
なぜ、モバイルファーストか
みなさんは、インターネットを利用するとき、どのような端末を使うでしょうか?自分自身はダイヤルアップ接続で電話回線を利用してインターネットを始めた世代でしたので、インターネットと言えばパソコンから接続するものと思ってしまいます。しかし今はモバイル端末(特にスマートフォン)を個人で持つ時代になり、個々がインターネットに接続することは容易になりました。ここで総務省の平成30年通信利用動向調査から、年代ごとにどのような端末でインターネットを利用しているかを見てみましょう。

各年代の左の青色がパソコン、赤色がモバイル端末(携帯電話及びスマートフォン)、緑色がタブレットとなります。どの年代にも共通しているのはインターネットの利用はモバイル端末が多く、特に13〜19歳の層ではパソコンとモバイルの差が大きくなっています。この調査は多肢選択式なので、パソコンもモバイル端末も利用している人もいると考えられますが、どの年代でもモバイル端末を利用してインターネットを利用する人の割合が多いことは、情報を発信する側としてしっかりと留意しなければならない点ではないでしょうか。
余談ですが、このJ-CDSのホームページでは2020年3月22日~2020年6月19日の機関でデバイス別のセッション数はグーグルアナリティクスの結果によると図2のようになっています。(セッションとはWebサイトにアクセスして、そのサイトから出て行くかブラウザを閉じるまでを言います。)

このホームページはどちらかというとパソコンからのセッションが若干多いですが、それでもモバイルからのアクセスは4割程度あります。このようなグーグルアナリティクスによる情報は、大学のホームページ管理者に聞くと分かると思います。
モバイル端末(スマートフォン)でホームページを見るということ
それではモバイル端末向けにするとはどういうことでしょうか?例えばモバイルでの閲覧に配慮するには次の2点に最低限注意する必要があります。
・画面が小さい事を踏まえたレイアウトとすること
・通信量と通信速度に配慮すること
レイアウトに注意するということ
モバイル端末では画面が小さく、ホームページのレイアウトがレスポンシブデザイン(デバイスの画面サイズに依存しないwebサイトを構築する手法)になっていても、パソコンで閲覧するときとモバイル端末で閲覧するときで見え方が変わる可能性があります。もしブログの記事をパソコンで書くのであれば、モバイル端末からもどのように見えるかを確認してみましょう。例えば文章をひたすらずっと改行もせずに書いていませんか?改行すると読み見やすくなりますが、画面が小さいということは改行する回数も多く必要になります。
また、文字ばかりではなく、アクセントとして適度に見出し、写真及びイラストなどを入れるのも読みやすくする方法としては有効です。ブログの書き手ある大学の教職員は文字ばかりの文章を読むことに慣れていますが、想定される読み手の高校生や保護者が同じレベルで文章を読むことに慣れているとは限りません。読んで欲しい読者像をしっかりと想定して、レイアウトする事が重要です。
通信量と通信速度に配慮するということ
Wi-Fiに接続した状態でインターネットをしている場合は、通信量や通信速度はあまり気にする必要がありません。しかし、高校生や保護者がモバイルデータ通信を利用してホームページを見ることを想定して、通信量と通信速度に注意する必要があります。例えば写真や画像をブログに掲載する時に、非常にデータ量が大きい写真をブログにアップしていませんか?もし自分自身がモバイル端末でインターネットを利用する時に見たい写真や画像がなかなか出なかった場合はイライラしませんか?多くの方がそのページを見ることをやめてしまうのではないでしょうか。画像の鮮明さにも注意しなければなりませんが、画像の重さにも注意しましょう。
終わり〜ページ閲覧数と平均ページ滞在時間は確認しよう〜
魅力ある教育の実践例をブログに書いても、読まれないと意味がありません。では、読んでもらえているかどうかを確認するために、ページごとにどのぐらいのページ閲覧数と平均ページ滞在時間となっているかを所属大学のホームページ担当に出してもらいましょう。特に数千字あるページでも平均ページ滞在時間が十数秒などの場合はきちんと読んでもらっていないと言えるかもしれません。知ってほしい情報というのはただ出すだけではなく、どのようにして最後まで読んでもらえるかといった工夫は常にする必要はあります。
(淑徳大学 荒木俊博)