コラム

中央教育審議会「教学マネジメント特別委員会」(第9回)における審議について

2019年9月24日(火)開催の「教学マネジメント特別委員会」(第9回)を傍聴してきました。本委員会は2018年11月16日の中央教育審議会において取りまとめられた「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」(以下、「グランドデザイン答申」という。)を踏まえて設置されたもので、今後の大学における学習成果の可視化と情報公表の促進に関する検討が行われています。

本委員会の特徴の一つとして、大学の自主的な取組みを後押しするという観点から議論が行われています。これまでの各種審議会、部会等では法令等の改正を前提とした検討が行われてきました。

しかし、本委員会では、教学マネジメントは各大学が自らの責任において、各大学の事情に合致した形で構築すべきものであることを前提としています。この前提は、「グランドデザイン答申」(31頁)に加えて本委員会の審議時にも度々、共通認識が図られてきました。特に、第9回委員会では「審議ロードマップの修正について」(資料1-1)においても、その前提が明示されています。

また、本委員会が目指している成果物は「教学マネジメントに係る指針」です。この指針は、中央教育審議会大学分科会の下に新たに設置される「質保証システム部会」で設置認可、認証評価などの国が行う質保証システムの改善を検討する際に活用すると位置づけられていますが、原則としては大学の自主的な改革の促進を図るための一助となることを目的に策定されています。

つまり、「教学マネジメントに係る指針」を踏まえて、各大学の自律的な裁量権に基づいて学習成果の可視化や情報公表について望ましい在り方を検討する必要があります。

特に、情報公表に係る議論が行われた第9回委員会では、委員から「学習成果をキーワードに高校、社会とのギャップを埋めることが重要である」という指摘や、「大学ポートレートを活用した大学間比較を可能とすることが必要ではないか」との意見がありました。

私たちのJ-CDSプロジェクトにおいても情報公表の在り方を軸とした調査研究を行っておりますので、「教学マネジメントに係る指針」が提示された後に各大学の一助となる研究成果を示すことができるよう展開していきたいと考えております。

なお、この情報公開を論点とした審議は、次回10月28日(金)の第10回委員会でも行われますので、興味・関心のある方は、文部科学省ホームページで公表される会議資料や議事録などで動向をチェックされてはいかがでしょうか。

ちなみに、本委員会は主として大学教育を専門とする研究者から構成されていますので、議事に係る一定の知識がある場合は委員会を傍聴することもお勧めします。参画している委員がどのような考えや想いがあって発言しているか、それを現場で体感することは、様々なセミナーに参加するよりも勉強になると感じますので、ぜひ一度、検討してみてください。

(広島市立大学 山咲博昭)