コラム

”第一次”J-CDSプロジェクトの終了について

2020年8月5日この時点で、新型コロナウイルス感染症の拡大は収まらず、大学のみならず、世界並びに日本社会全体はコロナ禍中にあります。文部科学省の通知では各大学に向けて、2020年度後期授業ならびに、2021年度の授業実施形態についても大学のステークホルダー(2021年度については特に受験生)に向けて可能な限り早期に決定事項を発信することを求めています。後期の授業実施でさえも各大学で苦心して検討している中、来年度という予測が困難な未来予測は、各大学機関の意思決定者の覚悟が問われるものと考えます。

さて、このプロジェクトのとりまとめ役を担ってきた私にも決断が求められています。コロナ禍は本研究プロジェクト遂行において、以下の3つの点において支障をきたしておりました。

  • ①各メンバーの自大学におけるコロナ禍対応による多忙の極み
  • ②オンラインミーティングでのJ-CDS定義を厳格に詰めることの難しさ
  • ③各大学におけるコロナ禍対応へのフォーカス化

特に、③については「コロナ対応でそれどころではない」という雰囲気を感じておりますし、私自身も現状そのような意識を持っております。優先順位が下がったというよりは、最重要課題が急に押し寄せ、それがいまだ留まっているという状態でしょうか。

そこで、プロジェクトメンバーに相談し、2020年8月をもって「J-CDSプロジェクト」をいったんクローズすることなりました。いったんとは、プロジェクト活動を“第一次”として閉じることを意味します。

“第一次”としたことには理由があります。先般の「教学マネジメント指針」において、大学の情報公開における新たな視点が政策として示された点が理由です。今後政策的にどのように大学情報が定められていくのか?各大学がどのようにそれに対応するのか?など新しい流れを見極めた上で、“第二次”J-CDSプロジェクトの可能性を検討していく必要があるように考えました。

これまで本プロジェクトに興味を抱いてくださった方、また応援してくださった方々に心より感謝申し上げます。また、本プロジェクトメンバーに一言ずつ感謝の言葉を伝えて、本プロジェクトの「いったん」の終了とさせていただきます。

荒木俊博さん(淑徳大学)

 HPの構築・運営を含めた、プロジェクトの本当に細かな重要な運営を支えてくださりありがとうございました。実質的な本プロジェクトリーダー(荒木さんがいないとプロジェクトがまわらない)に心より感謝いたします。

井芹俊太郎さん(法政大学)

 日本におけるIR実務担当者のトップランナーとして、本プロジェクトに有益かつ示唆あるコメントをくださり、またオープンデータの可視化など実践活動でのご支援ありがとうございました。

岩野摩耶さん(明星大学)

 学校法人経営やIR人材育成の実務経験から、本プロジェクトに意義ある企画やアイデアを提供してくださいました。また、イギリスにおける大学情報管理についての研究成果も本プロジェクトの幅を広げてくださいました。コミットありがとうございました。

近藤直幸さん(高千穂大学)

 このプロジェクトのそもそもの発案は近藤さんの問題意識からスタートしました。とても重要な意義ある研究活動の芽を植えてくださったことに心より感謝しております。大学行政管理学会の若手研究の成果として、本活動を論文などでいつかまとめて公表していただくことを期待しております。

齋藤渉さん(東北学院大学)

 兄貴役として、プロジェクトメンバーを引っ張り、私の相談にも乗ってくださったことに感謝しております。また、経営学の視点を活かし、自大学だけでなく日本のIR・質保証を引っ張っていらっしゃる姿勢を尊敬いたします。ありがとうございました。

長山琢磨さん(東北学院大学)

 長山さんの設置認可に関する実務経験と抱負な知識、幅広い人的ネットワークや高度な情報収集技術・能力に、本プロジェクトの根幹を支えていただきました。大学院でのインストラクショナルデザイン・教育工学に関する学びを、第二次J-CDSプロジェクトでぜひ生かしていただきたいと切に願います。ありがとうございました。

藤本正己さん(徳島文理大学)

 本プロジェクトに興味をお持ちくださり、プロジェクトの趣旨に共感し合流してくださり誠にありがとうございました。特に文部科学教育通信での連載やコラムでの、読み手の視点に立ったコメントや校正は、本プロジェクトの成果物の精度を高めてくださいました。心より感謝申し上げます。

藤原僚平さん(福岡大学)

 近藤さんと協働で、大学行政管理学会の若手研究を進めてくださいました。特に、マスメディアへのインタビューでは、踏み込んだ質問をして、大学人では気づきえない、マスメディアに携わる人の思いや姿勢を明らかにしてくださりました。これは、本プロジェクトにおける一番の成果かと思います。豊富なアイデアを行動力に心より感謝いたします。

山咲博昭(広島市立大学)

 私立大学と公立大学における認証評価に関するスペシャリストとして、大学情報のあり方について研究し、提言してくださりありがとうございました。コロナ禍において、蔑ろにされてしまう教育・学生支援の質保証という本質的な課題意識を持ち、それを踏まえた実践活動を担っていることとても素晴らしいと思います。さらに認証評価という専門性を掘り下げて、日本の第一人者となってください。

渡辺健太郎さん(大阪大学大学院)

 私とは金沢大学からの長い付き合いで、色々なところでヘルプしていただいてありがとうございます笑。特に社会学・社会調査の理論や方法の知識を、本プロジェクトに提供し、調査設計・実査・分析を一貫して行い、そこで明らかとなった知見は、本プロジェクトにおける代表的な成果でした。研究者としてますます成長し、世界に羽ばたいていくことを願っております。ありがとうございました。

それでは、また第二次プロジェクトでお会いできますように。

(新潟大学 上畠洋佑)